INTERVIEW
事業開発本部クロスデ―タ事業部
部長
山崎 秀人様
経済産業省事業として、政府衛星データプラットフォームであるTellusの開発・運用をしています。Tellus（テルース）は、「宇宙デ―タを民主化する」というビジョンを掲げ、衛星データを利用した新たなビジネスマーケットの創出を目的とする、日本発のクラウド環境で分析ができるオープン＆フリーなプラットフォームです。
Tellusのメインのコンテンツである衛星データは、そのデ―タが大きいことや解析のために専用のソフトウェアが必要であるなど、その利用にハードルがありましたが、「宇宙×IT」の力でこの課題解決に取り組んでいます。昨年末には、Tellus Marketに課金機能を実装しました。これによりTellus自身が持っていない企業様のデ―タ等をAPI提供することでTellus Marketで売買することが可能になりました。
SPACETIDEは皆様のご尽力で毎年の確実にアップグレードされていくのを実感していますし、日本国内にとどまらない海外へのネットワークも強化されていて、広い範囲に発信力をもっているイベントだからです。こういうイベントをスポンサーさせて頂くことは企業としてのメリットも大きいです。また、運営スタッフの方々もプロボノと聞いていますが、インタビューやコンテンツ作りを通じて、お話させて頂くとプロフェッショナルな方が多く、何よりもSPACETIDE作りをご自身たちが楽しんでいるのを感じているので、スポンサーとしても楽しむことができます。
SPACETIDEを知ったのは、だいぶ前になりますが、僭越ですが、とてもいいコンテンツとして成長していっているのではないでしょうか。
Tellusのコンセプトは「宇宙×IT」の力で新たな価値を生み出すことを目標にしています。繰り返しになりますが、衛星データはデータ量が膨大で加工が難しいということもあり、ビジネス利用があまり進んでいませんでした。この点、当社はITサービス会社ですので、クラウドコンピューティング等の強みを提供することで解決に取り組んでいます。
当社の戦略としては、真っ新で宇宙へチャレンジするのではなく、当社の強みと掛け合わせることで、シナジーを起こし、宇宙産業へ貢献することとしています。もちろん、上記の戦略をとっていても困難に直面することもあります。一つは、技術的にこれほど大きなデータを取り扱った経験がないため、衛星データをクラウドで保管・配信する方法などで困難に直面しました。
しかし、皆さまからのフィードバックやパートナーの知見を借りることで、解決の目途は見え始めています。もう一つの課題としては、顕在化されたビジネス顧客が少ないということです。この課題については、新たなチャレンジをしたい顧客と我々もスクラムを組んで一緒にサービスを作る努力を続けています。こちらもお蔭さまで、Tellusの登録者が2万人を超え、Tellusのアセットを利用してビジネスを検討してくれている企業様も少しずつ出てきています。物事にはJump upはありませんので、今後も一つ一つを大切に積みあげていこうと思います。
「夢だけを語ってきた会社は淘汰され、ビジネスとして自立していく組織だけが残り成長していくフェーズに入った」という点は、当社はITサービス会社なので、正直なところＩＴと比べるとちょっと違和感がありますね。ITだと莫大なコストをかけてリリースしても数ヶ月で撤退というようなサービスがゴロゴロしています。それは、企業淘汰が起こり得るだけの市場があるからです。この意味では、宇宙産業の市場はまだまだこれからなので、淘汰のフェーズというのは、ちょっと早いかなと思っています。個人的な意見ですが、宇宙産業は、まだまだ業界全体で盛り上がっていくフェーズのような気がしています。
私の好きな言葉に吉田松陰の「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。」という言葉がありますが、夢だけではダメなのは同感なのですが、夢すらなければ、成功もないということも真理だと思うので、一つ一つ実行して積み上げていくしかないかなと思っています。
お蔭様で、昨年末にTellus Marketの課金機能をリリースいたしました。これによりTellus自身が持っていない企業様のデ―タ等をAPI提供することでTellus Marketで売買することが可能になりましたのでぜひご利用頂ければと思います。
業界全体で益々盛り上がりたいと思いますので、引き続きご一緒に頑張って行ければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。