GOLD SPONSOR INTERVIEW

京セラ株式会社

INTERVIEW
研究開発本部研究企画部
研究企画2課
責任者
田中 勇様

現在の活動内容(宇宙ビジネスに関する事業・プロジェクト)を教えてください。

京セラの宇宙事業について過去からさかのぼると、JAXAやNASAのロケット、人工衛星、宇宙探査機などに搭載されるセラミック部品や機器を提供させていただいております。有名なところでは「はやぶさ2号」に搭載されたリチウムイオン電池用端子があげられます。更に遡ると、衛星通信携帯電話イリジウムの通信端末を開発・製造していたという経緯があります。これ以外にも、宇宙ビジネスに関連する多様なセラミック部品、デバイス、機器、システムにおいて、京セラ独自の技術群を保有しております。

2018年より既存の技術群をベースとした民間宇宙ビジネスの探索を開始し、現在は株式会社アクセルスペースと小型人工衛星に関連する新規事業を模索しています。2020年12月には、アクセルスペース様、オーシャンアイズ様と共に衛星データを利用した「高精度漁場予測に関する研究」をスタートしました。その他にも、人工衛星の製作に必要な部品やシステムの提供などハードウェアの研究開発プロジェクトも進行中です。

SPACETIDEに協賛を決めた理由を教えてください。

最初に理事の石田様と面談させてただき、民間宇宙ビジネスのポテンシャルの大きさを感じたことが大きなきっかけです。京セラが次に開拓すべき大きなフロンティアの存在が宇宙だと確信しました。
その後、2018年7月に京セラ東京事業所にてラウンジトークイベントを開催させていただいた際に、「民間宇宙ビジネスを盛り上げていきたい」、「自分たちの好きな宇宙ビジネスを国内企業に応援してほしい」というSPACETIDEプロボノをはじめとするメンバーの皆様の熱い想いを感じ取りました。

参加されている方が、ほぼボランティアで参加されているにも関わらず、夜19時に集合して23時過ぎまで真剣に、かつ楽しく宇宙ビジネスの未来について語り合っている姿に感銘を受けました。これが、最終的に協賛を決めた最大の理由だと考えています。

SPACETIDE 2021 Springのタグラインが、"宇宙ビジネス、事業化ステージのはじまり"となります。それにちなんで、現在に至るまでにどのような苦労があったのか、またその苦労を乗り越えても続けようと思った理由(継続してこれた理由)を教えてください。

※事業化ステージのはじまりとは、夢だけを語ってきた会社は淘汰され、ビジネスとして自立していく組織だけが残り成長していくフェーズに入ったということを意味しています。

2018年に参画させていただいてから3年程経ちましたが、まだ“苦労”と感じたことはありません。
幸いにも、社内上層部からの支持も厚く、自由に活動をさせてもらっていて、そのことにとても感謝しています。もちろん、社内にも「宇宙ビジネスなんてお遊びじゃないか?」と懐疑的な見方をする人もおりますが、2020年に入り活動が具体化し始めてからはそういう声も少なくなってきたように感じています。

宇宙ビジネスの中でも人工衛星に関連する部分は、かなり実現性の高い手堅い領域であると認識していますが、それでも「本当に、そんなに人工衛星をたくさん打ち上げて、使う人がいるのか?」という疑問が付きまといます。
しかし、そのような「やってみないと分からないもの」であっても「正しいと信じて前進していく」ことが重要だと考えています。現在の主力事業の一つである携帯電話事業も、当時は電気通信の技術が無く、勝ち目の無い戦いと周りから揶揄される中、「正しいと信じて前進し続ける」ことで事業を成功させてきた歴史があります。

宇宙産業という未知の領域でも、このフロンティアスピリッツを胸に前進し続けていきたいと思います。

参加者の方へひとこと

民間宇宙ビジネスに参画している人たちには、大きく分けて2種類の人がいらっしゃいます。1つは「宇宙バカ」。バカというとちょっと聞こえが良くないですが、自分の利益とか外聞とは関係なく、ともかく純粋に宇宙にあこがれている人たち。
もう1つは「フロンティアバカ」。宇宙への興味というよりは、民間宇宙ビジネスに無限に広がるチャンスにあこがれている人たち。イーロンマスクさんは、この2バカを兼ね添えたスーパーバカなんだと思います。一方、日本人はマジメっぽいイメージがありますが、元来からバカの素質をもった人たちは多いはずです。京セラでは、バカな人は「可燃性」、スーパーバカは「自然性」と表現されます。

SPACETIDEに参画している2バカ(良い意味で)な皆さまと交流・協業を進めることで、京セラ内にスーパーバカ=自ら燃える人 をどんどん育て、巨大な宇宙ビジネスを開拓していきたいと思います。